トランプ大統領は石油を目的にベネズエラに介入し、次はレアアースを目的にグリーンランドをアメリカのものにしようとしています。ハイテク産業の発展に欠かせないレアアースが注目され始めています。
この記事では、レアアース関連銘柄を組み入れたレアアースETF「ヴァンエック・レアアース・アンド・ストラテジック・メタルETF(REMX)」を紹介します。
レアアースETFの代表格:REMXとは?
レアアースに特化した投資先としてほぼ唯一のETFが、米国のREMX(VanEck Rare Earth and Strategic Metals ETF)です。
REMXは、収益の少なくとも50%をレアアースや戦略的金属(リチウム、コバルト、チタンなど)の採掘・精錬・リサイクルから生み出す世界の企業で構成されています。
REMXのポートフォリオは分散投資を確保するため、発行体ごとに8%の上限を設けています。指数は四半期ごとにリバランスされます。
REMXの特徴
REMXの基本データ
| 運用会社 | VanEck(ヴァンエック) |
| 投資対象 | グローバル株式 |
| ベンチマーク | MVIS Global Rare Earth/Strategic Metals |
| 運用方針 | アクティブ運用 |
| 経費率 | 0.58% |
| 純資産総額 | 25億ドル(2026年2月) |
| 設定日 | 2010年10月 |
| 上場市場 | ニューヨーク証券取引所 |
| NISA | NISA(成長投資枠)での利用が可能 |
REMXのチャート
過去5年のREMXのチャートをS&P500のETFであるSPYと比較しました。
2025年4月まではレアアース関連銘柄の不振でREMXの株価はS&P500よりリターンが低かったですが、2025年4月以降の上昇率は急激で、S&P500に追いつきました。
爆発的な上昇速度はテーマ型ETFの醍醐味ですね。

直近1年では、REMXのチャートは金ETF(GLDM)のチャートと類似のパターンを示しています。ただし、ボラリティは金ETFより高いです。
レアアースETFの1年チャート。
— おくりん@米国株式・インデックス投資 (@okurin_com) February 11, 2026
金ETFとほとんど同じ動きをしている。
ボラリティは、レアアース>金 pic.twitter.com/EArM7n6RgB
REMXの構成銘柄とその概要
REMXは世界中の主要なプレイヤーに分散投資しています。特に注目すべき主要銘柄をピックアップしました。
| 銘柄 | 国籍 | 比率 | 概要 |
| Albemarle Corporation | アメリカ | 8.04% | アルベマール(Albemarle)は、リチウムと臭素を中心とした特殊化学品を製造する大手メーカーで、特にEV用バッテリー材料(リチウム)、難燃剤(臭素)、医薬品、電子機器、石油添加剤などの分野の素材を提供しています。 |
| China Northern Rare Earth High-Tech Co., Ltd. | 中国 | 7.20% | 中国北方稀土高科技(China Northern Rare Earth High-Tech Co., Ltd.)は、内モンゴル自治区に拠点を置く、世界最大規模のレアアース生産・研究開発・販売企業です。 |
| Lynas Rare Earths Limited | オーストラリア | 6.50% | Lynas Rare Earths Limited(ライナス・レア・アース)は、中国以外で最大規模のレアアース生産・精製企業です。西豪州で鉱石を採掘し、マレーシアおよび豪州の工場で高度な分離・処理を行って、EVや磁石向けにネオジム、プラセオジムなどを安定供給しています。 |
| Xiamen Tungsten Co. Ltd. | 中国 | 6.43% | 厦門タングステン(Xiamen Tungsten Co., Ltd.)は、中国福建省に本拠を置く、世界最大級のタングステン製品メーカーです。タングステンの採掘、製錬、加工から、硬質合金、レアアース、リチウムイオン電池用のエネルギー材料まで幅広く手掛けるハイテク企業です。 |
| MP Materials Corp | アメリカ | 6.06% | MP Materials Corp(MPマテリアルズ)は、北米で唯一の大規模なレアアースの採掘・処理施設「マウンテンパス鉱山」を所有・運営する、米国の戦略的企業です。EVや防衛システムに必須のネオジム磁石材料を供給しており、中国への依存を減らす米国政府の支援を受ける「国策企業」的な位置づけです。 |
| Almonty Industries Inc. | カナダ | 5.94% | アルモンティ・インダストリーズ(Almonty Industries Inc.)は、カナダを拠点とするタングステン鉱山の開発・採掘・加工に特化した企業です。ポルトガルのパナスケイラ鉱山や韓国のサンドン鉱山などを手掛け、主に防衛・先端技術産業向けに、中国以外の地域で主要なタングステン精鉱を供給する役割を担っています。 |
| PLS Group Limited | オーストラリア | 5.23% | PLS Group Limited(PLSグループ)は、オーストラリアを拠点とする世界的なリチウム生産・開発会社です。主に西オーストラリア州の「ピルガンゴーラ鉱山」を所有・運営し、EV用バッテリー材料となるリチウム精鉱を生産・供給しています。 |
| Jinduicheng Molybdenum Co., Ltd. | 中国 | 5.19% | 金堆城鉬業股分有限公司(Jinduicheng Molybdenum Co., Ltd.)は、中国の陝西省を拠点とする、モリブデン製品の採掘、精錬、加工、販売を一貫して行う大手資源企業です。 |
| Sociedad Quimica y Minera de Chile S.A. Sponsored ADR | チリ | 5.04% | ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM:Sociedad Quimica y Minera de Chile)は、チリに拠点を置く世界有数の化学・鉱業メーカーです。EV¥用バッテリーに不可欠なリチウムや、農業用硝酸カリウム、ヨウ素製品で世界的に高いシェアを持っています。 |
| Shenghe Resources Holding Co., Ltd. | 中国 | 4.38% | 盛和資源控股(Shenghe Resources Holding Co., Ltd.)は、中国を拠点にレアアース製品の探鉱、製錬、分離、深加工に従事する主要メーカーです。 |
| Liontown Limited | オーストラリア | 4.33% | ライオンタウン(Liontown Limited)は、西オーストラリア州を拠点とし、EVや蓄電池向けの高品質リチウムを開発・供給する新興Tier-1バッテリー鉱物企業です。 |
| Ganfeng Lithium Group Co., Ltd. | 中国 | 4.21% | ガンフォン・リチウム(Ganfeng Lithium Group / 江西贛鋒鋰業集団)は、中国を拠点とする世界最大級のリチウム化合物および金属リチウムの生産・供給メーカーです。EV用バッテリー材料の採掘、加工、リサイクルを垂直統合で行い、テスラやVWなど主要自動車メーカーに製品を供給しています。 |
REMXに投資するメリットとデメリット
メリット
レアアースへの投資は国策に乗るテーマ
レアアースは、EV用の強力なモーター、スマートフォンやPCの電子部品、LED照明、風力発電機、医療機器、軍事技術など、現代のハイテク産業や脱炭素化社会に不可欠な基盤資源であり、「産業のビタミン」とも呼ばれます。少量で製品の性能を飛躍的に向上させるため、経済安全保障上も極めて重要な物質です。
レアアースは供給の大部分が中国に依存しているため、各国が供給網の多様化を進めている重要鉱物で、今後も各国の政策で投資が進められる産業です。
国策に売り無し。レアアース関連企業に幅広く投資できるREMXはレアアースへの投資に最適です。
個別株リスクの回避
レアアース企業は地政学的リスクや市況の影響を強く受けます。ETFで分散投資することで、特定の鉱山トラブルや1社の倒産リスクを軽減できます。
デメリット
高いボラティリティ
レアアース価格は需要供給のバランスだけでなく、政治的な思惑で激しく動きます。短期間で大きな価格変動が起こることも珍しくありません。
経費率がやや高め
S&P500などのインデックスETF(0.1%未満)に比べると、0.5%台の経費率はコストとして意識する必要があります。
まとめ
REMX(レアアースETF)は、ポートフォリオのスパイス(サテライト資産)として活用するのが理想的です。
- 向いている人:各国の国策としてレアアースの国産化のトレンドが来ることを信じている人、ハイリスク・ハイリターンを許容できる人。
- 向いていない人:低リスクな運用を望む人。
サテライト資産って何?と思った人はコチラを参考にしてください。
REMXなど、米国ETFを調べる方法はコチラで説明しています。


