
賃貸と持ち家、結局どっちが得なの?

多くの人が一度は悩むテーマですね。
結論から言うと、長期的に考えると持ち家のほうが圧倒的にお得です。
もちろんライフスタイルや価値観によって正解は違いますが、数字と制度を見比べると、賃貸のまま一生暮らすより持ち家を購入する方が資産形成という面で有利です。
賃貸住宅より持ち家のほうが有利になる理由
賃貸住宅の家賃には大家の利益が入っている
持ち家と賃貸ではトータルの住居費は変わらないと言われることが多いです。また、持ち家では、住宅ローンの金利、リフォームや大規模修繕費用、管理費、固定資産税などの税金など、賃貸では必要のないコストがかかると言われています。見かけ上は持ち家のほうがコストがかかるように見えますが、実はそうではありません。
| 持ち家 | 賃貸 | |
| かかるコスト (見かけ) | ・住宅ローンの金利 ・リフォーム費用 ・大規模修繕費用 ・管理費(マンション) ・固定資産税などの税金 など | ・家賃 ・共益費 ・更新料 など |
当たり前ですが、不動産投資をする大家さんは不動産から収益を得ることを目的にしています。つまり、不動産にかかるコストに加えて大家の利益を加えて、家賃の金額を設定します。
つまり、賃貸住宅に住んでいる人は、大家が支払っている住宅ローンの金利、リフォームや大規模修繕費用、管理費、固定資産税などの税金に、大家の利益を加えた金額を家賃として支払っているのです。
これが、賃貸住宅より持ち家のほうが有利になる理由です。
| 持ち家 | 賃貸 | |
| かかるコスト (内訳も含めた) | ・住宅ローンの金利 ・リフォーム費用 ・大規模修繕費用 ・管理費(マンション) ・固定資産税などの税金 など | ・家賃 (家賃の内訳: ・住宅ローンの金利 ・リフォーム費用 ・大規模修繕費用 ・管理費(マンション) ・固定資産税などの税金 + ・大家の利益) ・共益費 ・更新料 など |
持ち家の人は住宅ローン控除で節税できる
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入・新築・増改築した人が、一定期間、所得税や住民税から控除を受けられる制度です。
簡単に言うと、「ローン残高 × 1%分の金額」を毎年、税金から差し引いてくれます。
例えば、年末の住宅ローン残高が3,000万円あったとすると、
3,000万円 × 1% = 30万円
この30万円分が、所得税や住民税から控除されます。
節税額はローン残高や年収によって変わりますが、例えば年収500万円、住宅ローン3,000万円の場合、年間約30万円の税金が戻ってきます。これは大きいですよね。
住宅ローン控除を受けるためにはいくつか条件があります。
- 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
- 自分が住むための住宅であること(投資用ではNG)
- 住宅の床面積が50㎡以上で、そのうち半分以上が自分の居住用であること
- 合計所得が2,000万円以下であること
- 住宅ローンを組んだ翌年、確定申告をすること(2年目以降は、勤務先の年末調整で控除が受けられる)
賃貸は資産が残らないが持ち家は資産になる
賃貸住宅の最大のデメリットは、毎月の家賃が将来に何も残さないことです。
例えば、家賃10万円の物件に40年間住んだとすると、10万円 × 12ヶ月 × 40年 = 4,800万円になります。なんと5,000万円近くを払っても、自分の資産にはならずただ住んでいただけで終わってしまいます。
一方で、持ち家を住宅ローンで購入した場合、毎月の支払いは資産の積み立てになります。
例えば、5,000万円の住宅を35年ローンで購入すると、最終的には土地と建物が手元に残ります。たとえ築年数が古くなっても、土地には価値が残り続けるのが大きな違いです。
老後の住居費に差が出る
老後を考えると、この差はさらに大きくなります。
- 賃貸 → 年金生活でも家賃を払い続ける必要がある
- 持ち家 → ローン完済後は「住居費ほぼゼロ」で暮らせる
年金が限られる中で、毎月家賃10万円を払い続けるのは大きな負担。一方、持ち家なら固定資産税やメンテナンス費用はかかるものの、住居費を大幅に抑えられます。
持ち家にもデメリットはある
コストの面では持ち家が有利ですが、コスト以外の持ち家と賃貸のメリットとデメリットを比較して、自分にあった選択をすることになります。
| 持ち家 | 賃貸 | |
| メリット | ・内装や設備などハード面のクオリティーが高め ・部屋数が多い物件が賃貸に比べて充実 ・間取り変更や設備交換などを自由にできる ・退職までに住宅ローンを完済すれば老後の住居費の負担が軽くなる | ・いつでも自由に引越しができる ・年収の変化に合わせて住居費をコントロールしやすい |
| デメリット | ・賃貸に比べて簡単に引越せない ・住居費を下げられない | ・内装や間取り、設備などが自分で決められない ・一生、家賃の支払いが続く ・高齢になったとき契約を更新できないことがある |
まとめ
持ち家と賃貸住宅では、長期的に考えると持ち家のほうが圧倒的にお得です。
もちろんライフスタイルや価値観によって正解は違いますが、数字と制度を見比べると、賃貸のまま一生暮らすより持ち家を購入する方が資産形成という面で有利です。

