配当株投資は「安定した収入源を得られる」「相場の値動きに過度に振り回されにくい」「配当金を再投資すれば複利効果を得ることができる」という魅力がある一方で、表面的な利回りの高さに惑わされると痛い目を見ることもあります。ここでは、銘柄選定の際にありがちな見落としポイントをご紹介します。
高配当だからといって優良企業とは限らない
配当利回りが高い企業に飛びつきたくなる気持ちはわかりますが、その高さには理由があります。たとえば、
- 業績悪化による株価急落で「見かけの利回り」が高くなっている
- その年だけ記念配当や特別配当を出している
- 無理して配当を維持している(いわゆる配当性向100%超え)
といったケースも。
必ずしも企業の稼ぐ力や過去の業績を正確に反映しているとは限りません。一時的な利回りだけでなく、その企業が本当に高水準の配当金を出し続けることができるのか、考える必要があります。
配当性向が高すぎる企業は要注意
配当性向とは「利益のうち何%を配当に回しているか」を示す指標です。たとえば、配当性向が80%を超えている場合、今後は減配するリスクが高いと言えます。配当を維持する余力があるのか、キャッシュフローや自己資本比率も併せて確認することが重要です。
特別配当・一時的な要因に惑わされない
一見高配当に見える銘柄でも、一時的な特別配当によって利回りが膨らんでいるケースもあります。企業IR情報や決算資料を読み、配当の継続性があるかどうかを見極めましょう。
業種特性を無視してしまう
業種ごとに景気の影響度や配当方針は異なります。たとえば、
- インフラ系・通信・食品:安定的なキャッシュフローで配当も安定しやすい
- ハイテク・ベンチャー系:成長優先で無配、または配当が不安定
など、業種特性に応じて適切な期待値を持つことが大切です。
税引き後の実質利回りを見ていない
NISAなどの制度を活用しない限り、配当には約20%の税金がかかります。たとえば利回り4%でも、実質的には3.2%程度。税引き後のリターンを正しく理解することも、堅実な運用には欠かせません。
配当株投資は「長く持ってコツコツ積み上げる」スタイルだからこそ、最初の銘柄選定が命です。落とし穴を避けて、あなたの資産形成を着実に前進させましょう。
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