
ゴルカンってどう?
いい投資信託かな?

ゴルカンは運用の仕組みのせいで成績が悪いですね・・・
金価格はほぼ一貫して上昇しており、連日最高値更新というニュースが入ってきます。また、新NISAでは全世界株に投資する「オルカン」が売り上げNo.1となる人気を集めています。このような背景から、金と全世界株に投資する投資信託「ゴルカン」が設定され、注目を集めています。
この記事では「ゴルカン」と呼ばれる投資信託について、その特徴や手数料を調べた結果を紹介します。
ゴルカンの運用は仕組みが複雑ですが、その仕組みが悪いせいで、金のETFとオルカンを別々に買った場合よりも運用成績が悪くなります。 そのうえ手数料はゴルカンが高く、金のETFとオルカンは安いです。

というわけで、ゴルカンはおすすめできません。
ゴルカンと同様に金と株式に投資する投資信託はほかにもあり、おすすめできる商品もありますので、最後に紹介します。
金への注目
長期の金価格のチャートを見ますと、おおむね一貫して右肩上がりのチャートになっています。特に最近の値上がりは急激で、魅力的です。
金には普遍的な価値があり、インフレ対策になるメリットがあります。さらに大きく値上がりもしているため、注目を集めています。

オルカンの人気
2024年にNISAが始まって以来、つみたて投資が広まっています。投資信託の買付金額ランキングでは、オルカンなど全世界株に連動する投資信託が1位、S&P500に連動する投資信託が2位となっています。
リスクの分散という点で最も優れているオルカンが選ばれていることがわかります。
- オルカン
 - S&P500
 
金と株式に投資する投資信託
金と株式は代表的な投資対象ですが、このふたつに同時に投資できる投資信託が相次いで設定されています。「ゴルカンなど金含む投信、広がる選択肢 分散対策で」のように、日経新聞でも紹介されました。
ゴルカンの特徴、運用の仕組み
ゴルカンは、SGイシュアーが発行する担保付社債を主要投資対象とし、ゴールド/オール・カントリー株式戦略のパフォーマンスに連動する投資成果を目指します。担保付社債を通じて、実質的に世界株式と金に投資を行います。
ゴールド/オール・カントリー株式戦略の概要とは、市場センチメント(市場心理)を測る指標から市場を「リスクオン」、「安定的」、「リスクオフ」の3つの局面に分けて、リスクオンの局面では世界株式に概ね追随しながらも、リスクオフの局面において安全資産としての特性を持つ金への投資配分を高めることで、世界株式のみに投資する場合に比べ下落の抑制を目指す戦略です。
市場センチメントの測定はソシエテ・ジェネラルが提供するSGセンチメント指標を活用します。それぞれの局面において、世界株式と金の組み入れを合計100%になるように変更します。

信託報酬は年1.023%で、オルカンや金ETFの手数料より高く設定されています。
ゴルカンの問題点
単純に金と全世界株式を購入するのではなく、市場センチメントを判断して投資割合を変更する複雑な仕組みになっています。市場センチメントを事前に予測できれば目論見通りオルカンを超えるパフォーマンスになるはずですが、相場の動向はあらかじめわからないので単純に手数料が高い投資信託に見えます。
市場の変化を事前に察知できて金と株式の投資割合を変えることができれば、運用成績は上がるはずですが、そもそも市場の変化を事前に察知することはできません。
市場の変化を後追いして投資割合を変えると、むしろ運用成績は下がります。
ゴルカンとオルカンと金ETFの基準価格の推移を比較しました。ゴルカンの運用成績は、金とオルカンを足して2で割った水準にあるべきですが、その水準を下回る結果になっていました。

ゴルカンが設定された2024年末から2025年8月までの期間では、金が約20%、オルカンが約4%上がっています。ゴルカンはその中間の12%くらいの成績が欲しいところですが、オルカンと同じ4%程度でした。
これはゴルカンの運用の仕組みが悪いことによる結果です。

この結果なら、ゴルカンを買うより、オルカンと金ETFを半分ずつ買った方がいいね!

そうなるね。
おすすめできる、金と株式に投資する投資信託
こちらのふたつは金と株式に投資する投資信託のなかでおすすめできる投資信託です。
- ゴルナス(Tracers NASDAQ100ゴールドプラス)
 - ゴルプラ(Tracers S&P500ゴールドプラス)
 
まとめ
この記事では明治安田ゴールド/オール・カントリー株式戦略ファンド(愛称ゴルカン)について、その特徴、運用の仕組み、手数料を調べた結果を紹介しました。
ゴルカンは仕組みが複雑で手数料が高い商品でした。そのうえ、前提となる市場センチメントの判断は事前に予想できないはずなので、目論見自体が怪しいと感じます。

  
  
  
  

