投資を始めようとしても、何を選べばいいか迷ってしまうくらいたくさんの金融商品があります。しかし、どの金融商品でもいいわけではありません。
資産を増やし続ける可能性が高い、再現性のある金融商品は低コスト投資信託やETFです。

投資信託やETFは手数料が安いものがいいって聞いたよ。
何を選べばいいか具体的に教えてほしい!

金融商品のカテゴリーごとに低コストの投資信託とETFを比較してランキングをつくったよ。
この記事では、オルカン、S&P500などの株式の資産カテゴリーごとの低コスト投資信託・ETFを比較し、ランキング形式で紹介します。比較する項目は保有中のコストの低さです。一般的に基準とされる信託報酬だけでなく、隠れコストも含めた合計コストで比較します。
また、運用方針ごとのおすすめのポートフォリオも紹介します。
投資信託とETFのコストの違い
投資信託(インデックスファンド)とETFについて、特にコストの違いを説明します。
投資信託 | ETF | |
取得時のコスト | 購入手数料 (0%のファンドが多い) | 売買手数料 (証券会社により異なる) |
保有時のコスト | 信託報酬 | 信託報酬 (投資信託より安い傾向) |
売却時のコスト | 信託財産留保額 (0%のファンドが多い) | 売買手数料 (証券会社により異なる) |
投資信託は取得時と売却時のコストがかからないものが多いです。取得時のコストがゼロの投資信託をノーロードファンドと呼びます。投資信託を買う場合はノーロードファンドの中から選びましょう。
一方、ETFは保有時の信託報酬が低コストです。その理由は、投資信託の信託報酬は証券会社や銀行などの投資信託の販売会社、投資信託の運用を行う運用会社、投資家から預かった資金を管理する信託銀行の3つに分配されるのに対し、ETFは取引所に上場しているため、販売会社に支払う手数料分が不要なためです。
また、楽天証券とSBI証券では国内株式、ETFの売買手数料が0円になるプランもあります。

長期投資をする場合は、取得時と売却時のコストよりも保有時のコストの影響が大きくなるため、ETFのほうが低コストと言えます。
株式の低コスト投資信託・ETF比較ランキング
以下の5つの資産カテゴリーの代表的な低コスト投資信託・ETFを比較します。比較するのは保有時にかかる合計コストです。
- 全世界株(オルカン)
- アメリカ株(S&P500)
- アメリカ株(アメリカ市場全体)
- 日本株(TOPIX)
- 新興国株
全世界株(オルカン)
もっとも合計コストが低いのは、SBI・全世界株式インデックス・ファンドでした。
ETFではVTの信託報酬が低いです。
投資信託
ファンド名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.078%(0.0682%) |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.113%(0.05775%以内) |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.154%(0.132%) |
ETF
銘柄コード | ETF名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 不明(0.08%) |
2559 | MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 不明(0.0858%) |
アメリカ株(S&P500)
もっとも合計コストが低いのは、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドでした。
ETFではVOOとIVVの信託報酬が低いです。
投資信託
ファンド名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.076%(0.0638%) |
楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 0.094%(0.077%) |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.105%(0.09372%以内) |
ETF
銘柄コード | ETF名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
VOO | バンガード・S&P500 ETF | 不明(0.03%) |
IVV | iShares Core S&P 500 ETF | 不明(0.03%) |
1506 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 不明(0.0597%) |
SPY | SPDR S&P 500 ETF TRUST | 不明(0.09%) |
アメリカ株(アメリカ市場全体)
もっとも合計コストが低いのは、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドでした。ただしこの投資信託はVTIに投資するものなので、直接VTIを購入したほうが低コストになります。
投資信託
ファンド名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.081%(0.0638%) |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.151%(0.132%) |
ETF
銘柄コード | ETF名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 不明(0.03%) |
日本株(TOPIX)
もっとも合計コストが低いのは、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)でした。
ETFではiシェアーズ・コア TOPIX ETFの信託報酬が低いです。
投資信託
ファンド名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.147%(0.143%以内) |
iFree TOPIXインデックス | 0.163%(0.154%) |
楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 0.190%(0.187%) |
ETF
銘柄コード | ETF名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
1475 | iシェアーズ・コア TOPIX ETF | 不明(0.045%) |
1305 | iFreeETF TOPIX(年1回決算型) | 不明(0.06%) |
1348 | MAXISトピックス上場投信 | 不明(0.06%) |
1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 不明(0.088%) |
新興国株
もっとも合計コストが低いのは、SBI・新興国株式インデックス・ファンドでした。
ETFではSPEMとVWOの信託報酬が低いです。
投資信託
ファンド名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 0.079%(0.066%) |
楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 0.178%(0.132%) |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 0.346%(0.15180%以内) |
ETF
銘柄コード | ETF名 | 合計コスト(うち信託報酬) |
SPEM | SPDR ポートフォリオ 新興国株式 ETF | 不明(0.07%) |
VWO | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | 不明(0.10%) |
SCHE | シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF | 不明(0.11%) |
2520 | NEXT FUNDS 新興国株式 ・MSCIエマージング・マーケット・インデックス 連動型上場投信 | 不明(0.209%) |
1658 | iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF | 不明(0.23%以内) |
EEM | iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF | 不明(0.67%) |
運用方針ごとのおすすめのポートフォリオ
投資におけるポートフォリオとは、現金、株式、債券、不動産、金、暗号通貨などの資産の組み合わせや比率のことです。
一般的に、投資では資産を一種類に集中させるのではなく、複数のカテゴリーの資産に分散させる、分散投資という考え方が大切です。資産を一種類に集中させると、その資産が暴落した場合に致命的な損失を出してしまいます。しかし値動きの異なる複数の資産に分散していれば、もしどれかが暴落しても他の資産でカバーしながら、リスクを抑えた資産運用ができます。
ポートフォリオ中の資産の種類と割合によって、そのポートフォリオのリスクとリターンが決まります。自分に合ったリスクとリターンのバランスをもとにポートフォリオを決定することが大切です。
バランス型
将来どの資産カテゴリーが成長するかわからないので、どの資産が成長しても対応できるように備えるなら、バランス良く分散させたポートフォリオがおすすめです。
バランス型 おすすめポートフォリオ①

- 全世界株(オルカン):60%
- 先進国REIT:10%
- 全世界債券:30%
バランス型 おすすめポートフォリオ②

- アメリカ株(アメリカ市場全体):40%
- 日本株(TOPIX):10%
- 新興国株:10%
- 先進国REIT:10%
- アメリカ債券:20%
- 新興国債券:10%
資産成長追求型
過去の実績から、債券と比較して株式はリターンとリスクが高い資産カテゴリーと分かっています。資産の成長を追求するなら、リターンの大きな株式の比率が高いポートフォリオがおすすめです。
資産成長追求型 おすすめポートフォリオ①

- 全世界株(オルカン):80%
- 全世界債券:20%
資産成長追求型 おすすめポートフォリオ②

- アメリカ株(S&P500):60%
- 新興国株:20%
- アメリカ債券:10%
- 新興国債券:10%
資産防衛型
リスクを減らして資産運用したいなら、比較的リスクの低い債券の割合を高めたポートフォリオがおすすめです。
資産防衛型 おすすめポートフォリオ

- 全世界株(オルカン):40%
- 全世界債券:60%
配当重視型
資産の成長よりも配当を重視するなら、REITや高配当株投資信託・ETFを組み入れたポートフォリオがおすすめです。
配当重視型 おすすめポートフォリオ

- アメリカ高配当株:50%
- 日本高配当株:10%
- 先進国REIT:30%
- 国内REIT:10%
まとめ
資産を増やし続ける可能性が高い、再現性のある金融商品は低コスト投資信託・ETFです。
この記事では、オルカン、S&P500、債券などの資産カテゴリーごとの低コスト投資信託・ETFを比較し、ランキング形式で紹介しました。比較する項目は保有中のコストの低さです。一般的に基準とされる信託報酬だけでなく、隠れコストも含めた合計コストで比較しました。
また、運用方針ごとのおすすめのポートフォリオも紹介しました。