日経平均もS&P500も史上最高値圏にあります。このようなタイミングでは、値下がりを待ってから投資するのが賢明に思えるかもしれません。
しかし、最高値を更新したタイミングでも投資するべきということをこの記事で説明します。
直感に反しますが、過去最高値の日に投資すると、平均的な日に投資するよりも高い収益をあげる結果となってきました。

本当に?信じられないよ!

最高値での投資について知っておくべきことと、最高値での投資を恐れる必要がない理由を紹介します。
最高値更新はよくある
1990年から2025年8月までの期間で、S&P500は693回にわたり最高値を更新しました。
これは最高値を更新した日が平均して年間約20回あったことに相当します。つまり、過去35年間で取引日全体の約8%で最高値更新が記録されたことになります。

これらすべての新たな高値をチャートで表すと次のようになります。灰色の点が最高値更新日です。
最高値更新日は連続して発生しがちです。最高値を更新した次の日に少しでも株価が上がれば新高値更新が連続するためです。強気相場では、史上最高値が続く傾向があります。
企業が成長し、時間の経過とともに収益性を高めていくことを考えると、S&P500のような株式指標では最高値更新が続くことが期待されます。

しかし、新高値が一般的だからといって、そのタイミングで投資すべきという理由にはなりません。
過去最高値で投資すると、リターンにどのような影響があるのでしょうか?言い換えれば、市場が最高値を更新している時は、投資すべきタイミングではないのでしょうか?
史上最高値で投資した場合のリターンは良いのか悪いのか?
多少直感に反しますが、史上最高値で投資すると平均収益は良くなります。
JPモルガンのこのチャートをご覧ください。

1988年1月から2020年8月までのいずれかの日にS&P 500に投資していた場合、1年後の平均トータルリターンは+11.7%になっていました。
しかし、S&P 500が史上最高値で引けた日にのみ投資していた場合、1年後の平均総収益は+14.6%になります。
この傾向は、3年間のリターン(+39.1%対+50.4%)と5年間のリターン(+71.4%対+78.9%)にも当てはまります。
これは、史上最高値で取引を終えた日にのみ投資することで、
- 最もパフォーマンスの悪い期間の多くを回避し
- 上昇傾向の市場で資金を直ちに運用できるから
です。
また、史上最高値に達してから数年後に、S&P500指数がその最高値から10%以上下落している確率は、実は極めて稀です。
以下のチャートは、1950年以降の1,325回の最高値に続いて、1年後、3年後、5年後のS&P 500指数がその最高値から10%以上下落した確率を示しています。
- 1年後に、S&P500指数がその最高値から10%以上下落した確率は9%
- 3年後に、S&P500指数がその最高値から10%以上下落した確率はわずか2%
- 5年後に、S&P500指数がその最高値から10%以上下落したことは一度もありません

これらのデータを知っていても、市場の最高値で投資することにまだ不安を感じるかもしれません。
史上最高値での投資がなぜ難しいのか
最高値での投資が有利というデータがあったとしても、最高値での投資は心理的に難しいと感じる人は多いです。
なぜなら、史上最高値のうちいくつかは、弱気相場前の最後のピークとなるからです。史上最高値で購入すると、弱気相場が終わるまで、塩漬けにしてしまう可能性があります。そのため、多くの人は最高値で投資することへ恐怖を感じます。
たしかに、最高値で投資すると弱気相場入り前の直近の高値で買ってしまうリスクがあります。これは避けようがありません。
しかし、実際にはそれほど気にすることがないというデータもあります。
市場のタイミングを心配する必要がない理由
歴史的に見ると、最良の日(各年の最安値)に投資することと、最悪の日(各年の最高値)に投資することの違いは、多くの人が考えるほど大きくはありません。
以下は、2000年1月から2023年6月までのS&P 500の最良の日と最悪の日に、毎年10,000ドルを投資した場合の収益の差を示すグラフです。

毎年最良の日に投資するというありえない幸運の持ち主と、毎年最悪の日に投資するというありえない不運の持ち主との差は、両者の非常に低い確率のことを考えると小さく見えます。
相場の動きを予想できない以上、正確なタイミングを狙うことはあきらめるべきです。
タイミングを気にせず投資をし続けることの方が重要です。
投資格言など
投資の格言に、「新値にはだまってつけ」というものがあります。これは、過去の高値を抜けてさらに上昇する場合、抵抗線がなく、さらなる上昇が期待できるため黙って追随して買うべきというものです。
また、トレンドフォロー型のモメンタム投資を得意とする伝説の投資家たちも、新高値こそが買い時だと言っています。有名どころでは、ジェシー・リバモア、マーク・ミネルヴィニ、ウィリアム・オニールたちです。
まとめ
この記事を読んで、株式市場が史上最高値のタイミングで投資することに安心感を持っていただければうれしいです。
投資を続けていると、市場の最高値に遭遇することはよくあります。そのときに買うことを恐れていてはもったいない。
過去データは、史上最高値で買うことはむしろパフォーマンスを上げることを示していました。
確かに、いくつかの高値の後には市場の暴落が起こります。しかし、過去を振り返るとその後にさらに高値を更新してきました。
どうしても史上最高値で投資することに不安がある場合は、一括投資ではなく、定期的に分割して購入する(ドルコスト平均法)を試してください。
こうすることで、株価が上昇するのを傍観して後悔することなく、徐々に投資を増やすことができます。
