新NISAでは低コストインデックス投資信託・ETFが大人気となっています。

オルカンとかS&P500とかのインデックスファンドだよね
指標が同じインデックスファンドであれば、手数料の安い低コストインデックス投資信託・ETFであるほどリターンが高くなるので、コストが気になります。
実は投資信託・ETFには、目論見書に記載されている販売手数料、信託報酬、信託財産留保額以外にも、隠れコストがかかります。隠れコストとは、売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用で、いずれも保有時にかかるコストです。

隠れコストが気になってきた・・・
どうやって調べるの?

隠れコストとは何かを説明し、隠れコストの調べ方を紹介します。
隠れコストも含めた「合計コスト」での低コストインデックス投資信託・ETFの比較ランキングは別記事でまとめましたので、ぜひご覧ください。
投資信託・ETFにかかるコスト①
投資信託・ETFでは、購入時に販売手数料(購入時手数料)、保有時に信託報酬(運用管理費用)、売却時に信託財産留保額、の3つのコストがかかることはよく知られています。これら3つのコストは投資信託の運用前に決まっており、目論見書に記載されています。
購入時 | 保有時 | 売却時 |
販売手数料 (購入時手数料) | 信託報酬 (運用管理費用) | 信託財産留保額 |
販売手数料は、投資信託を購入するときに投資信託の販売会社に支払う手数料で、購入金額に対して0%〜3%程度の間で設定されています。購入時手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれる投資信託も多いです。 | 信託報酬は、投資信託を保有している間に投資信託の販売会社・運用会社・信託銀行が差し引く手数料で、年0.05%〜3%程度で設定されています。 | 信託財産留保額は、投資信託を売るときにかかる手数料で、売却金額に対して0〜0.3%程度で設定されています。信託財産留保額がかからない投資信託も多いです。 |
例として、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の目論見書を見てみましょう。目論見書からは、以下の3点が読み取れます。
- 購入時手数料:0円(ありません)
- 信託財産留保額:0円(ありません)
- 信託報酬:総資産額に対して年率0.09372%以内

投資信託・ETFにかかるコスト② 隠れコスト
実は、事前に決まっている3つのコストの他に、実際に運用した後に事後報告される、いわゆる隠れコストがあります。隠れコストは、具体的には売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用の3つです。
隠れコストは、実際に運用をしないと確定しないコストのため、目論見書には具体的な金額の記載がありません。金額を確認するためには、運用報告書を確認する必要があります。
保有時 | 保有時 | 保有時 |
売買委託手数料 | 有価証券取引税 | その他費用 |
売買委託手数料は、投資信託の中で投資する有価証券を売買するときに証券会社等に支払われる手数料です。 | 有価証券取引税、有価証券を取引するときに発生する取引に関する税金です。 | その他費用は、有価証券を海外で保管する場合の保管費用や、ファンドの決算時に監査法人から監査を受けるための費用などです。 |
例として、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の運用報告書を見てみましょう。運用報告書からは、以下の4点が読み取れます。
- 売買委託手数料:0.002%
- 有価証券取引税:0.000%
- その他費用:0.009%
- 合計:0.104%(信託報酬+売買委託手数料+有価証券取引税+その他費用)

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、目論見書中の信託報酬と、運用報告書中の保有時の合計コスト(信託報酬+売買委託手数料+有価証券取引税+その他費用)にあまり差がありませんでした。
しかし、投資信託によっては大きな差がある場合もあるため、購入前に確認しましょう。
まとめ
投資信託・ETFには、目論見書に記載されている販売手数料、信託報酬、信託財産留保額以外にも、隠れコストがかかります。隠れコストとは、売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用で、いずれも保有時にかかるコストです。
投資信託によっては隠れコストが大きな場合もあるため、購入前に確認しましょう。
