中国はGDP世界2位ですが、オルカンの中に中国株は約3%しか入っていません。世界のGDPに比例させて分散投資をするなら、オルカン+中国株投資信託にした方がいいです。


中国に投資するにはどうすればいいの?

中国株に詳しい人は個別株もいいですが、普通の人は投資信託やETFがいいでしょう。
中国株には、香港株と中国本土株があります。この記事では、中国本土株CSI300指数に連動する投資信託・ETFの魅力と注意点を説明します。
中国本土株とは?
中国本土株とは、上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している株式の銘柄の総称です。中国株には香港証券取引所に上場している株式もありますが、ここでは除きます。
中国本土の上海証券取引所・深圳証券取引所は、人民元建てのA株と外貨建てのB株に分かれています。中国は資本の移動の自由がないため、A株の取引は中国大陸外からは制限されていました。2011年12月、人民元適格海外機関投資家制度(RQFII)が開始され、中国大陸外の機関投資家が投資限度枠内でオフショアで調達した人民元で中国大陸内に投資できるようになりました。
中国A株には、CSI300指数とA50指数という代表的な指数がふたつあります。
CSI300指数
CSI300指数は上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している中国企業のA株の上位300銘柄のパフォーマンスを再現するように設計された、時価総額加重型の株価指数。中国大陸のブルーチップ銘柄の株価指数とされています。
指数を構成している業種は幅広く、金融、情報技術、資本財、サービス、生活必需品など幅広いです。この指数は、上海証券取引所および深圳証券取引所の時価総額合計の約70%を占めており、この指数ひとつで中国経済の主要企業にまるごと投資できるのが魅力です。
CSI300の上位10の構成銘柄を紹介します。
銘柄 | 業種 | 構成比率 |
KWEICHOW MOUTAI | 生活必需品 | 3.9 |
CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY | 資本財 | 3.6 |
PING AN INSURANCE | 金融 | 2.6 |
CHINA MERCHANTS BANK | 金融 | 2.2 |
ZIJIN MINING GROUP | 素材 | 1.8 |
MIDEA GROUP | 一般消費財 | 1.6 |
ZHONGJI INNOLIGHT | 情報技術 | 1.5 |
INDUSTRIAL BANK | 金融 | 1.5 |
EOPTOLINK TECHNOLOGY | 情報技術 | 1.5 |
CHINA YANGTZE POWER | 公益事業 | 1.4 |
FTSE中国A50指数
FTSE中国A50指数は、上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している中国企業のA株の50銘柄からなる FTSE Russell の時価総額加重平均型株価指数です。
FTSE中国A50指数の上位5の構成銘柄を紹介します。
銘柄 | 業種 | 構成比率 |
KWEICHOW MOUTAI | 生活必需品 | 9.9 |
CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY | 資本財 | 7.2 |
CHINA MERCHANTS BANK | 金融 | 4.7 |
CHINA YANGTZE POWER | 公益事業 | 3.7 |
PING AN INSURANCE | 金融 | 3.4 |
中国本土株連動投資信託・ETFのメリットとデメリット
メリット
- 中国の成長に乗れる:世界2位の経済大国、中国。人口や消費市場の拡大、テクノロジー分野の発展など、成長の余地がまだまだ大きいです。GDP成長率も先進国より高い水準を維持しています。
- 分散効果が高い:個別株を買うよりも、300銘柄に分散されるのでリスクを軽減できます。
- 手軽に投資可能:日本の証券会社経由で購入できる投資信託やETFも増えており、初心者でも簡単にアクセス可能。
デメリット
- 中国特有のリスク:政策や規制が突然変わる可能性があり、株価に大きく影響する。特にIT・教育分野では過去に急な規制強化がありました。
- 為替リスク:人民元建て資産に投資するため、円やドルとの為替変動で損益が変動します。
中国本土株連動投資信託に投資する際のポイント・注意点
バブルの発生と崩壊
CSI300指数および同じ中国本土株の上海総合指数は、バブルの発生と崩壊を繰り返す特徴があります。2007年から2008年にかけたバブルと、2015年から2016年にかけたバブルが特徴的です。
現時点で2025年からまたバブルが立ち上がり始めているようにも見えます。
買うタイミングで注意することは、バブルの頂点で買わないこと。売られすぎのタイミングで買うか、積立投資で毎月買うか、どちらかにするといいでしょう。



長期目線で保有する
短期的には上下の動きが激しいですが、成長ストーリーに乗るなら10年単位で保有するつもりの投資がおすすめです。上記のチャートを見てもわかるとおり、長期的には右肩上がりとなっています。
全資産の一部にとどめる
中国株にはリスクがあるので、全力買いはおすすめしません。ポートフォリオの中の30%までにした方がいいでしょう。米国株や日本株、債券などと組み合わせてリスク分散を意識しましょう。
中国本土株連動ETF
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300
- 商品ホームページ:上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300
- 証券コード:1322(東京証券取引所)
- 特長:円換算でCSI300指数に連動することを目指すETF
- 信託報酬: 0.53%
ただし、1322は出来高が少ないためおすすめしません。出来高が少ないと、買いたいときに割高な値段で買わないといけない場合や、売りたいときに割安な値段で売らないといけない場合があります。
iシェアーズ・コア CSI 300 ETF
- 商品ホームページ:iシェアーズ・コア CSI 300 ETF
- 証券コード:02846(香港証券取引所)
- 特長:CSI300指数に連動する運用を目指しつつ、シンセティックETF(CAAP=中国A株アクセス商品)を通じて間接投資するETF
- 信託報酬: 0.16%
中国本土株連動投資信託
SBI・中国A株インデックス・ファンド
- 商品ホームページ:SBI・中国A株インデックス・ファンド(雪だるま)
- 購入可能な証券会社:SBI証券、三菱UFJ eスマート証券、松井証券
- 特長:円換算でA50指数に連動することを目指すETF
- 信託報酬: 0.0638%
まとめ
中国本土株のCSI300指数やA50指数は、中国経済をまとめて買える便利な投資対象です。成長ポテンシャルは大きい一方、政策リスクや為替リスクも抱えているので、ポートフォリオの一部にとどめて分散投資することを心掛けましょう。
注意してほしいのは、バブルの頂点で買わないことと、長期投資すること。そうすれば、誰でも安心して中国株投資にチャレンジできます。