アメリカでは、景気悪化局面に加えて、トランプ関税による経済への悪影響があり、インフレ率が低下しています。また、2025年9月の状況は、FRB(米連邦準備制度理事会)がデータ次第では政策金利を引き下げる可能性を示唆。市場では「次の一手は利下げ」との声が高まっています。

この局面ではどんな投資をすればいいの?

アメリカドル建て債券は選択肢のひとつになります
この記事では、アメリカ国債の金利低下局面において、アメリカドル建て債券が有利になる理由を説明します。
現在はアメリカ国債の金利低下局面
景気には波があり、2025年はコアインフレ率、政策金利、アメリカ10年国債利回りがそろって低下する状態にあります。
2020年から2022年にかけて、コロナショックでの景気対策資金供給に伴って過剰供給されたマネーによってコアインフレ率が爆発的に上がりました。その影響でアメリカ10年国債利回りも上がりました。2025年は上がりすぎたインフレ率が下がってきたことに伴って政策金利も下げられ始め、このまま政策金利は下がる方向とみられています。インフレ率と政策金利が下がることから、アメリカ10年国債利回りも下がる方向なのは間違いないでしょう。

国債利回り低下局面の債権の魅力
高金利の時に買えばずっと高金利
債券の利点は、購入時に決まった利率を満期まで確保できること。
現在の米国の長期金利は、2005~2006年のサブプライムバブル期に匹敵するほどの高水準です。しかし、GDP成長率の鈍化や雇用指標の悪化など、景気減速を示すデータが増えており、これから金利が下がる可能性が高いと見られています。
金利が下がれば債券価格は上昇する
金利と債券価格は逆方向の相関があります。例えば、金利が下がれば債券価格は上昇します。
つまり、これから金利が下がるタイミングは、これから債券価格が上がることを意味しています。
債券は外貨定期預金より自由度が高い
高金利を固定するなら外貨定期預金を使うこともできます。しかし外貨定期預金は最長でも5年程度で、満期まで引き出せない場合がほとんどです。
一方、米ドル建て債券なら期間は約1年から30年以上まで幅広く選べるうえに、満期前でも市場価格で売却することができます。
ポートフォリオの安定化にも効果大
米ドル建て債券をポートフォリオに加えることで、景気減速や株式市場の変動にも強い安定した収益源を確保できます。
米ドル建て債券への投資方法
米ドル建て債券には、アメリカ国債と米ドル建て社債があります。通常はアメリカ国債より米ドル建て社債のほうが金利は高く、信用格付けが低い社債ほど金利が高くなっています。
社債の中には日本企業が米ドル建てで発行した社債もあります。信用力の高い発行体を選べば安定した利回りを期待できます。特に7~10年程度の年限は、金利低下のメリットを取り込みつつ、投資期間としても最適です。
米ドル建て債券投資の注意点
アメリカドル建て資産への投資は為替リスクがあります。特にこれからドルの政策金利が下がって円の政策金利が上がると予想されているタイミングでは、今後は円高ドル安方向に為替が動く可能性が高いです。そうすると円ベースで見たドル建て資産の評価額は下がります。
ただ、おくりんは為替は予想するのが非常に難しいという経験から、為替の方向は決め打ちせず、投資対象が値上がりする可能性だけで投資判断をしています。
債券購入方法
- SBI証券の場合:債券のお買い付けまでの流れ
 - 楽天証券の場合:外国債券の取引をはじめるには
 - マネックス証券の場合:外国債券のお取引
 
まとめ
米国の金利は、今後の景気動向次第で下がっていく可能性が高いと考えられます。高水準の利回りを確定できるのは、まさに今このタイミングです。
- 金利が高いうちに米ドル建て債券を購入
 - 信用力の高い発行体を選ぶ
 
これらを押さえれば、金利低下局面を味方に付けた賢い資産運用を実現できます。あなたのポートフォリオに、ぜひ米ドル建て債券を検討してみてください。

  
  
  
  
